日経電子版、日経産業新聞と連動してイノベーティブな技術やベンチャーを深掘りする、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」オリジナル番組の「日経TechLiveX」。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。
「睡眠負債」という言葉が話題になる現代。睡眠のトラブルは健康だけでなく、仕事の生産性も大きく左右する難題だ。そこで世界的に注目を浴びているのが、一人ひとりの眠りの質を科学的に分析し、解決策を探る「スリープテック」。独自デバイスを用いて企業へのコンサルティングを展開するスタートアップ、ニューロスペース社の小林孝徳CEOと三菱地所の根神剛さんに、快眠を得るための条件を聞く。
瀧口:こんにちは。日経CNBCキャスターの瀧口友里奈です。そして、私と共に司会進行していただくのは、日本経済新聞編集委員の奥平和行さんです。奥平さん、よろしくお願いします。
奥平:よろしくお願いします。
瀧口:こちらの番組は日経産業新聞、日経電子版と連動して、革新的なテクノロジーや今後成長が見込まれるスタートアップ企業に迫る「日経TechLiveX」です。Paravi(パラビ)のオリジナルコンテンツとしてお届けしています。さて、今回のテーマですが、『眠りの悩み 科学で解決 "スリープテック"とは?』と題してお届けしていきます。
奥平:睡眠がビジネスに大きく関わってくるという話ですが、瀧口さん、睡眠に関して悩みはありますか?
瀧口:寝ても寝ても眠いという悩みがあります。深刻ですよね。
奥平:まだ若者ですね。
瀧口:本当ですか。奥平さんはいかがですか?
奥平:私は時間が不規則なので、その不規則さゆえに変な時間に眠くなったり、寝過ぎると調子悪くなったり。この話を始めると20分かかるので、先にいきましょう(笑)。今日はそういった睡眠の悩みを改善して、生活の質を改善するスリープテックについて伺いたいと思います。
瀧口:スリープとテクノロジーでスリープテックということですが、早速今回のゲストをご紹介します。まずは日本初と言ってもいいかもしれません。スリープテックを手掛けるスタートアップ企業、ニューロスペースのCEO小林孝徳さんです。
瀧口:今年5月の日経産業新聞でも小林さんの取り組みについて取り上げられています。スリープテックとは何なのか。そしてどんなサービスを提供していらっしゃるのか、たっぷりお話を伺っていきます。
そしてもう一方、三菱地所人事部主事の根神剛さんです。三菱地所で働き方改革を推進されていて、その一環としてニューロスペースと協力し、社員の睡眠改善に取り組んでいらっしゃいます。今日はどうぞよろしくお願いします。
小林・根神:よろしくお願いします。
瀧口:それでは、キーワードに沿ってお話を進めていきます。ます1つ目はこちらです。『眠りは「技術(スキル)」だ!』ということですが、実はこれ小林さんがよくおっしゃるフレーズだそうです。眠りは技術、スキルが必要なことなのでしょうか。
小林:そうですね。技術というのは例えば小さい頃に補助輪が無くても自転車に乗れるようになったり、車の運転ができるようになったり、生まれつき特別な能力を持っていなくても、誰でも知識を学んで上達させることができるものですね。
眠りもまったく同じで、この世の中、残業があったり24時間営業の店舗、不規則な勤務体系で働かれる方など、理想的な睡眠を取れない方がたくさんいらっしゃいます。そういった中で短くても睡眠の質を上げるためのテクニックがありますし、不規則であっても体に負担をかけない技術もあります。知識や技術を知っているだけで睡眠が変わります、ということで、眠りはスキルというのをコンセプトにしています。
奥平:伺いながら激しく頷いていましたが、やはり(時間が)不規則なことが(理想的な睡眠を取れない要因として)大きいのかなと個人的には思いました。その反動で、週末たくさん寝て回復しようと思うのですが、寝過ぎると調子が悪くなったりするんですよね。これは私だけではないと思いますが、何か良い方法はあるのでしょうか。
小林:平日の睡眠が足りていないことによって、休みの日にたくさん寝ようというのは、ビジネスパーソンの方、皆さんやられていることだと思いますが、寝過ぎというのもよろしくないんですね。必要な睡眠時間以上、たくさん寝過ぎてしまうとだるくなったり、頭痛がしたりしますので、そういう時は平日と起きる時間をそろえる。一旦リズムを作ってから、再度、二度寝や昼寝をするというのもテクニックとしてありますね。
奥平:瀧口さんも(睡眠の)お悩みが。
瀧口:私は先ほどもお話をしたのですが、寝ても寝ても眠くて、いつまで寝ればいいのか分からないんです。あまりたくさん寝ても意味がないのかと思って最近は諦めていますが、どう改善すればよいでしょうか。
小林:寝ても寝ても疲れが取れないというのは、最近のお話ですか?
瀧口:そうですね。
小林:たぶん最近ですと、暑くなってきたことによって寝ても睡眠の質が悪くなっている可能性があるので、例えば寝室の室温調整や寝る前の過ごし方で質を上げていくというのもポイントかと思います。
奥平:今私たちがアドバイスをいただいていますが、基本的に会社としては、誰に対してアドバイスをされているのでしょうか?
小林:企業単位で、その企業様特有の睡眠のお悩み傾向を見ながら社員・従業員の方へアドバイスをしています。