瀧口:ではここで、具体的に日本にはどんなプレイヤーがいるのか、見ていきたいと思います。こちらが日本の宇宙スタートアップです。アクセルスペースさんの創業は2008年。
奥平:ispace(アイスペース)さんは月探査の会社ですよね。
石田:そうですね。月探査するためのロボットを作る会社です。 奥平:去年比較的大きな資金調達を発表して世間を驚かせましたね。
石田:ispaceが発表した100億円の資金調達は世界記録と言われています。資金的にはだいぶ日本は環境が整ってきていて、過去10年間に宇宙ベンチャーに投資した人は世界で約600人と言われていますが、数で言うと日本は世界第2位と言われています。
奥平:AIなんかの分野では中国に追いついて追い越してというお話がありますけど、宇宙に関していうと世界2位の立場にあるんですね。
石田:1位はアメリカですけど、2位は日本と言われています。そういった環境が整ってきている中で、今(宇宙)ベンチャーが増えてきていますね。
瀧口:今日本にはどれくらいの会社があるんでしょうか。
石田:大体20から30社と言われています。
瀧口:世界では何社くらいでしょうか。
石田:1000社から2000社くらいと言われています。
瀧口:その中の20から30ということですね。
奥平:ただ資金面で見るとそれほど悪くはないと。
石田:一社一社の資金面から比べると、世界のトップ企業と同じくらいですし、一つ一つの企業が特徴的なことを行っております。例えばアストロスペースさんは宇宙ゴミと言われるデブリを除去する企業ですが、同じことをしている企業は世界でも片手くらいしかいません。
石田:ALE(エール)さんは人工流れ星といって、流れ星を人工的に作っていこうとしていますが、これは世界的にもALEさん以外やっているところがない取り組みです。
瀧口:どうして流れ星を作ろうとしているのでしょうか。
奥平:楽しそうですけどね(笑)。
石田:起業されたのは岡島さんという女性の方ですけど、彼女がもともと思いついたことで、空をキャンパスのようにして描いていきたいということで始めたそうです。エンターテイメントとしての宇宙というとらえ方ですね。日本の宇宙ベンチャーの中で世界的に一番有名なのは実はALEじゃないかという人もいて、他の国の人から見て、宇宙の平和的な利用というのがいかにも日本らしいとよく言われます。