瀧口:ではここで、アメリカでの宇宙ビジネスについて、シリコンバレーにいる日経新聞シリコンバレー支局事業開発担当の重森泰平さんと中継がつながっていますので、お話を伺ってみたいと思います。重森さん、よろしくお願いします。

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重森:よろしくお願いします。

奥平:今こちらで宇宙ビジネスの話を進めてきまして、すでにAmazon創業者のジェフ・ベゾスなどの名前が出てきていますが、そちらの盛り上がりはいかがでしょうか?

重森:こちらの宇宙開発を担当している駐在員の方やスタートアップの方にお会いする機会があって話を聞いているのですが、シリコンバレーは宇宙産業に限らず、技術がすごいというより、それをビジネスにするスピードが非常に早いです。宇宙に関しても実際にビジネスとして多額のお金が動いているという意味では、非常に盛り上がっているという実感があります。

瀧口:どうしてそんなにお金が集まるんでしょうか。

重森:担当の方に聞くと、この3、4年で(宇宙分野において)特に他の地域とアメリカの差が広がっているということでした。今ベンチャーキャピタルも大手も宇宙に力を入れていますし、宇宙に特化したベンチャーキャピタルも数社出てきていて、私の知人はそのうちの一つのファンドにお金を投資したという話もしていました。アメリカでは政府の技術移転や軍需も含めて、民間スタートアップにまかせて効率よく宇宙開発をしようという動きがありまして、そういったものも後押ししているのだと思われます。

瀧口:シリコンバレーの宇宙スタートアップについて、日本との一番の違いは何でしょうか。

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重森:おそらく二つあって、お金がすごく回っているということと、人材の部分が大きいと聞いています。先日SPACE KNOW(スペースノウ)というスタートアップの方とお会いしましたが、前半でもお話されていたように、宇宙からの画像を分析するというスタートアップで、こういった分野がやはり盛り上がっています。彼らにどんなデータが売れているのか聞いたところ、中国の石炭や鉄鉱石の産出状況などを随時リポートするデータを、投資ファンドやヘッジファンドなどの金融機関が高値で買うということでした。

奥平:投資判断に使うわけですね。

重森:まさにそうですね。中国からの公式発表とどう違うのか比較するためです。

奥平:統計にいろんな見方がある国なので(笑)。

瀧口:統計や指標の発表を待たずして判断できるということですね。

重森:しかも彼らはAIを活用して何が石炭で何が鉄なのか、どのくらい出しているのかをパターン認識して画像からも判断します。面白いと思ったのはそれだけではなくて、例えば極端な話、SNSのつぶやきのデータやいろいろな統計データを組み合わせることで正確さを増していく分析をするという、データサイエンティストの能力を生かして付加価値を出していくということでした。

奥平:アメリカの場合は東海岸の金融と西海岸の宇宙テクノロジーが結びつくというイメージですね。中村さんの会社のデータもそういった利用は可能ですか?

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中村:もちろんできます。SPACEKNOWは言ってみればお客さんの立場です。我々のデータを使って、それを分析するということですので、今アメリカは衛星のハードウエアを作るより、そこから得られるデータをどう使っていくか、という新しいベンチャーがどんどん出てきているという状況だと思います。

瀧口:重森さん、興味深いお話ありがとうございました。

重森:ありがとうございました。