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奥平:こちらに画像がありますけど、実際はまだ(衛星を)打ち上げてないんですよね。

中村:こちらはシミュレーションの画像になりますが、大体このくらい細かい画が撮れます。車1台がゴマ粒大の細かさで写るイメージです。

奥平:飛行機で離陸していく時のような感じですね。

中村:そうですね。これを特定の場所だけではなくて、地球上の陸地全てをカバーしようというのが、この計画です。

奥平:石田さんもこの分野に注目されていると伺いましたが、実際これまでの衛星と比べてどう革新的で、どのような可能性があると見ておられますか?

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石田:これが二分の一スケールで、これの倍の大きさですよね。多分100キロもないわけですので、明らかに軽いです。小さくて軽い。衛星というのは馬鹿でかいのが当たり前で、2トンや3トンというのがこれまでの基本でした。軽量でコンパクトというのが一番大きな違いじゃないですかね。

奥平:当然、(衛星が)軽量でコンパクトだとコストも安くなるということですよね。実際はおいくら位でしょうか。買うわけじゃないですけど(笑)。

中村:具体的な価格をご紹介することは難しいですが、先ほどご紹介いただいた大型の衛星に比べるとコストでは100分の一、数億円といったところです。

瀧口:大型の衛星ですと大きさはどのくらいになりますか?

中村:高さでいうと数メートルですね。

瀧口:それがこんなに小さくなったんですね。

中村:もちろん機能も制限しないと小さな衛星は作れないのですが、機能を制限しても数をたくさん打ち上げることによって、大型の衛星にはできない別の価値を追求したと考えていただければよいかと思います。

奥平:衛星自体が低コストだと、画像が安く撮れるという理解でよいでしょうか。

中村:そうなりますね。

奥平:そうするとこれまでになかったような分野で応用できると

中村:コストがネックになって使えなかった分野もあると思いますし、毎日画像が取れることによってトレンドがわかります。それができて初めて使えるようになる分野ということもあるかと思います。

奥平:代表的な例を一つ挙げていただけますか?

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中村:例えば農業ですね。穀物も生き物ですから、日々状況は変わります。それを1か月に1回だとベストな刈り取り時期を推測できない。毎日見ることによってベストな(刈り取りの)タイミングを見つけることができる。これはあくまで一例ですが、頻度というものが活きてくる場面はたくさんあると思います。

奥平:特に大規模農場のように、なかなか目視できないところも衛星で見ることができると。

中村:アメリカなどでは地平線の果てまで自分の畑ということもありますから、そういったところでは衛星で一度に見るのが効果的ではないかと思いますね。

奥平:今は勘や経験に基づいているところが、より科学的に判断することによって、例えば収量が増える等の効果を期待すると。

中村:そうですね。収量増加というのは一つ分かりやすい指標かと思います。

瀧口:これだけ小型だと、例えば打ち上げる時に、いくつも同時に打ち上げることも可能なんでしょうか。

中村:そうですね。既存のロケットは大きな衛星を打ち上げるように設計されています。これ一つだけだと搭載スペースが空いてしまうのでまとめて打ち上げるというのが最近のトレンドですね。何十個、場合によっては100個を超えるような衛星が同時に打ち上げられることもあります。

瀧口:鶴の群れが打ち上げられるというようなイメージですね。

中村:これくらいの大きさですとロケットにもよりますが、(同時に)5個、10個打ち上げていくことはあり得ると思います。