瀧口:では、次の方にお越しいただきます。よろしくお願いします。お名前をお願いします。

山浦:イクシー株式会社の山浦と申します。

瀧口:では山浦さんにも1分間でお話いただきたいと思います。

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山浦:弊社ではEXOSというVR向けの触覚デバイスの開発を行っております。EXOSというのはVRの世界に3Dデータを映し出して、触った感触を感じることができるデバイスです。その技術を何に使うかというと、例えば自動車業界では車のデザインデータを作った後に、大きな粘土のかたまりを削り出して、サイズ感や形状の確認を行っていたのですが、これが非常にコストも時間もかかってしまいます。

これをVRの中でやることによって、試作時間0、費用も0で、すぐにデータのまま触ってデザインの確認をすることができます。例えばハンドルの高さはちょうどいいか、天井は低すぎないか、ボタンは自然に押せるのか、といった検証がすぐにできます。私たちは自動車に限らず、プロダクトデザインのフローを大きく変えていこうとしている企業です。

瀧口:ありがとうございました。8秒ほど残っておりました。

奥平:では後半で質疑応答がプラス8秒あるということですね(笑)。山浦さんはサウス・バイ・サウスウエストに出られたのはいつですか

山浦:2015年に出ました。

奥平:その時、このプロダクトで出られたのでしょうか。

山浦:実はその時は、一つ前のプロダクトで出ました。

奥平:方向転換をされて、今のプロダクトになったということですね。

山浦:そうですね。

瀧口:この製品を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

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山浦:昔はVRの端末が高価だったのですが、近頃安価なものが出てきて、自分たちでもバーチャルな世界をすぐに作って感じることができるという流れが来ていました。私はもともとCADの設計者で3Dデータを扱っていたので、3Dデータが目の前にすぐ出せたら、当然触りたくなるなと思い、自分の欲しいことと世の中の流れを考えて、このプロダクトの開発を決めました。

瀧口:VRデータを触りたいという感覚が面白いと感じました。これは実際、例えば車を作る時に実用化して使えるということでしょうか。

山浦:VRのデータを触りたい欲求を持つ方は多く、エンターテインメント向けの方や、プロダクトデザインの方などもいらっしゃいます。私自身はプロダクトデザインの世界で使いたいと思いました。試作をするのに多くの時間と手間がかかってしまうから、ここを省きたいという思いがあり、そういった需要から開発しました。

奥平:たしかに自動車のクレイモデルというのは、粘土で実寸大のサイズを作りますので非常にお金がかかるという話があります。実際に自動車メーカーと共同開発ということもあるのでしょうか?

山浦:日産自動車さんには納入しており、今試しに使っていただいています。

奥平:もう入っているんですか。

瀧口:反応はいかがですか?

山浦:本当に(VRデータに)触れないことにフラストレーションを感じていらっしゃったので、まさにこれだと言っていただいています。

奥平:導入後、日産自動車では開発期間の短縮等の効果は得られていますか?

山浦:お渡ししたのがまだ2月末くらいのお話なので、立ち上がったばかりです。

奥平:生々しい情報ですね(笑)。お話して大丈夫ですか?

山浦:これはリリースも行っていますので大丈夫です。

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奥平:すでにお客さんがいらっしゃるような段階まで進んでいるビジネスで、東大発ということの具体的なメリットデメリットを聞いてみたいのですが、今まで何か感じられることはありましたか?

山浦:大手のメーカーさんとやり取りする際に、そのスタートアップ、言ってしまえば弱小企業に対して、技術面が大丈夫なのかという不安を持たれるのですが、そういった意味では東大ということで安心感や技術面の担保は出来ているという気がします。

奥平:東大ということが、官僚になったり医者になったりすることではなくて、スタートアップ業界のメリットにもなってきているということですね(笑)。

瀧口;東大の研究技術が担保になっているということですね。

奥平:グローバルな場面でも東大ということで注目を浴びる部分はあるのでしょうか。

山浦:(東大が)強い武器かと言われると微妙ですが、最初に出した時に分かってはいただけますね。

奥平:知ってはいると言うレベルですね。