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<東京大学アントレプレナー道場>

鎌田:看板講師かは分からないんですけれども、ちょうどこういう、アントレプレナー道場という、お隣の菅原先生がやられているものがありまして、学生向けのアントレプレナーシップを教える教育の一環なんですけれども、私がやらせてもらっているのは、その中の冒頭の、最初のアントレプレナーシップという、起業マインドを教えることをお手伝いしております。5年前ぐらいに、最初のお手伝いを始めたんですが、この5年間ですごく人数が増えていまして、もう300人とかの学生が・・・。300人と言いますと、東大の卒業生が毎年3000人なので、その一割が来るという。

瀧口:一割!大人気ですね。

<東大生がスタートアップに向かう理由>

鎌田:皆さん、関心が高まっているという感じを受けています。

奥平:ちなみに、時間帯ってどの辺の時間でやるんですか?

鎌田:これは夕方ですよね。

菅原:そうそう。毎週水曜日の・・・。

奥平:結構人が帰っちゃって、一番人が集まりづらい時間帯ですよね。

鎌田:一番集まりづらい時間ですよね。でも、東大の工学部二号館の213番教室という、一番大きい教室があるんですが、そこにほぼ立ち見が出ますね。

奥平:人気講師なんですね。

鎌田:・・・ということになっています(笑)。

瀧口:しかも、14期生募集と書いてあったので、私の在学中にはもうやってらっしゃったと。

奥平:どうでした?

瀧口:それがちょっと知らなかったので・・・(笑)。知っていればよかったなと。

鎌田:でも、同期の人たちでたぶん受けていた人がいたんじゃないかなと思いますけどね。

瀧口:本当に素晴らしいですね。その中で、実際に鎌田さんが教えていらっしゃるアントレプレナーの精神という部分は、一言で言いますと、どういうことを教えていらっしゃるんですか?

鎌田:まず起業するということ事態が、キャリアアップの選択肢になっていないんですよね。そもそも、そういうやり方があることにあまり気づいていないと言いますか。やる人も少なかったですし。まずはそこに気づいてもらうと。スタートアップを起こす、起業するというキャリアアップの道もあるということに気づいてほしいというのが、第一なんですね。実はやってみると、そんなに難しくないと言いますか、今、起業環境がよくなっていまして、お金もかからなくなってきているということがあります。まず、そこに気づいてもらい、実際にやってみるにはこうしたらいいということをお話しして、背中を押すというような感じのことが、まず一つありますね。

それから、拡大型の経済というのが、これだけ豊かになってきて今変革期を迎えていますので、日本全体としてもイノベーションを望んでいるというか、社会の要請としても何か若いい人たちに起こしてほしいというニーズもすごくあるという時期ですので、チャンスもすごく広がっているという意味で、そちらに目を向けてもらって、大企業に行くだけじゃなくて、スタートアップにも挑戦してほしいと。

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奥平:(画面参照)こちらがそのアントレプレナー道場の参加者数ですか?

瀧口:参加者数が2015年からググっと上がってきていますね。

奥平:去年、2017年は400人で過去最高?

菅原:そうですね。

菅原:これはまさに、鎌田さんにご登壇いただくようになってからかもしれませんが、一定数の学生はこういうことに興味があった中で、ロールモデルとなるような起業家や先輩が、ここ2、3年で非常に多くなってきたというのが、学生の興味を引くようになった要因かなと思っています。

奥平:例えば2008年から2009年って、リーマンショックで減っていたりとか、2010年から2011年だと、例の3.11とかあったじゃないですか。社会環境が悪くなるとまた、安定志向に戻ったりするんじゃないかと、ちょっと意地悪なことを思ったりするんですが、その辺りはどう見てますか?

菅原:それは加味してはいたんですけれども、ここ最近のモーメンタム、勢いというのは、社会環境として、このテックスタートアップを志すような学生であるというか、若い世代というのがもう増えていると。その流れに実際乗っているのかなと思います。

奥平:なるほどねぇ。

鎌田:2012年に出来たスタートアップというのは、私の感覚では、結構多い感じがしていまして。それには、2つ理由が思いつくところがあって、一つは震災があって、その結果大企業もどうなるか分からないし、自然災害も起きるので、やりたいことをやらなければいけないと思ったことが、まず一つあるんだと。あとはやっぱり、人工知能のブレイクスルーが、2012年に大きく起きていて、そこからチャンスが広がったと思うスタートアップが結構出てきて、パークシャテクノロジーとか、プリファード・ネットワークスとか、あの辺がでてきて。だから、2012年あたりをきっかけにして、ぐっとスタートアップの数も増えている感じがしますね。

瀧口:どうしてもスタートアップというと、リスクを取らなきゃいけないとか、難しそうだなというのがあったりするんですが、その辺りの感覚、東大生のキャリア観というのは変わってきていますか?

菅原:そうですね、やはり東京大学ということに関わらず、大学生というのは親しい先輩か、もしくは友達のキャリアを見て、自分のキャリア選択をしているわけですが、その先輩たちが実は、スタートアップを始めている。しかも、うまくいっている方も出ていますし。友人の学生でありながらスタートアップをやっているという仲間がいると、ちょっと自分にもできるんじゃないかと、そういう雰囲気になってきて。学生のうちからスタートアップをする学生、もしくは、卒業後まもなくしてスタートアップをする起業家が出やすくなっているというのは、今ちょうど起こっていることだと思います。

瀧口:輪がだんだんと広がっていくような感じですね。

奥平:20年前ぐらいの話を思い出すと、もう起業なんて遠い星の世界の話のような感じで。

菅原:私も同じ世代なので(笑)。

奥平:そこは、ずいぶん変わってるってことなんですねえ。

菅原:そうですね。まさに先輩起業家たちがどんどんと積み上がってきて、そこのボリュームが大きくなってきていることに加えて、鎌田さんのような支援者の方がそれを応援してくださる。そういう環境が整いつつあるということだと思います。

奥平:先ほど打ち合わせの時に伺ったら、ずいぶんと体系だったプログラムが用意されていて、ずいぶん手厚いなという印象を受けたんですけど、改めてご説明いただいてもいいですか?