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瀧口:ここにあるデータがあるので、ご覧いただきたいと思います。モバイル決済の利用状況ということですけれども。

奥平:中国が98.3%(2015年調べ)と、限りなく100%に近いですね。あとケニアが76.8%(2016年調べ)。私、ケニアへ2年ぐらい前に行ったんです。たしかM-PESA(エムペサ)とていう、これはいわゆるガラケーなんですが、ガラケーベースの決済が使えるというステッカーがあちこちに貼ってあありました。そして先進国は、どちらかというと低いんですね。

瀧口:そうですね。アメリカはまだ5.3%(2015年調べ)、日本は6%(2016年調べ)ですね。

奥平:青柳さん、先進国が低いというのは、何か事情があるんですか?

青柳:いろいろな見方があるかと思うのですが、中国も数年前まで、2015年よりさかのぼること数年前までは、結構低かったかと思います。

奥平:一気に来たと。

青柳:はい。なので、あらゆるところで使えるという状態が整うと、日本、アメリカといったところでも、中国やケニア並みに大きく伸びる可能性があるんじゃないかというふうに見ています。

奥平:何となく決済先進国というと、クレジットカードが普及したアメリカという印象があるのですが、ずいぶん印象が違いますね。

原:そうですね。やはりクレジットカードの普及率が高いところが、モバイル決済の流通が低いのかなという認識が、このデータを見ると感じ取れますね。

瀧口:利用者の人たちが、クレジットカードで十分というふうに思ってしまうということでしょうか。

原:やはり中国はもともと決済の手段がなかったというところがあったので、そういった意味だと、一気にモバイルというところに飛んだと。つまり日本・アメリカはクレジットカードのインフラを持っていた部分だけ、その進化の過程を中国はすっ飛ばして、一気にモバイルの方にシフトしたというふうに見られるかと思います。

奥平:通信手段でも固定電話飛ばしてモバイルに行ったという話がありますが、それと同じことが決済でも起きたと。

原:そうですね。

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瀧口:そしてこちらのデータもご覧いただきたいと思います。「携帯電話・スマートフォンの支払・決済機能を利用しない理由(世代別)」についてのデータなのですが、これによりますと、支払いは現金でしたいと考える層が、20代と70代に相当数いるということがわかりますね。

奥平:両脇は低いんですね。我々は真ん中辺りですから、比較的前向きな世代ということになるんでしょうか。

瀧口:これはどう分析できるんでしょう?

奥平:大きな理由としては、セキュリティの問題なんでしょうか?

原:何となく私が感じるのは、リテラシーというところも関係してくるのかなと思います。これは日本のデータですよね?

奥平:日本ですね。

原:今回、中国へ行ってびっくりしたのが、かなり強制的にモバイル決済を使わせる店舗が多いなというところが多かったんですね。

奥平:現金を受け取らない?

原:いわゆるスマートフォンのアプリをダウンロードしないと、決済ができないというお店を見た時に、生活に密着しているサービスで、ダウンロードし使わざるを得ないという環境であれば、皆さん使うのだと思うんですよね。ただ、やはり日本だと、どうしてもスマートフォンを持っていないユーザーはどうするんだとか、そういったところが前提になりますので、すると幅広くいろんな人達に対応できるような環境を整えなければいけないということで、なかなかスマートフォンというところにシフトしないのではないかな、と感じています。

奥平:どちらかというと、ネガティブなところをどう潰すかということが強く働くけど、中国はむしろ良い方を伸ばしていくという。

原:そうですね。あの思い切りの良さは、すごいなと思います。