日経電子版、日経産業新聞と連動してイノベーティブな技術やベンチャーを深掘りする、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」オリジナル番組の「日経TechLiveX」。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

日本のAI研究をリードする松尾豊・東京大学特任准教授と気鋭の経済学者、安田洋祐・大阪大学准教授が初顔合わせしてAIについて徹底議論する「スペシャル企画」。第1回はAI理解の基本となる「ディープラーニング」について松尾特任准教授がそのエッセンスを手書きでやさしく解説する。

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瀧口:こんにちは。日経CNBCキャスターの瀧口友里奈です。そして、私と一緒に司会進行していただくのは、日本経済新聞編集委員の奥平和行さんです。奥平さん、よろしくお願いします。

奥平:よろしくお願いします。

瀧口:この番組はこちらの日経産業新聞、そして日経電子版と連動して、革新的なテクノロジーや今後成長が見込まれるスタートアップ企業に迫る「日経TechLiveX」です。Paraviオリジナルコンテンツとしてお届けしています。
さて奥平さん、今回のテーマなんですが、AIということで。

奥平:はい、AI。私、最近外でお話をすることが多いので、日経新聞の朝夕刊に年間何本のAIの記事が載っているか数えてみたんですけど、見当つきますか?2017年の1年間で。

瀧口:100とか200とかですか?

奥平:2000本強。

瀧口:2000本?

奥平:平均すると、1日6本以上載っているという話です。

瀧口:そんなにですか。

奥平:これだけ注目度が高い技術で、まさに革新的テクノロジーの代表格ですけれども。一方で、日本のこの分野の競争力がどうかという議論もありまして、その辺を今日は深くえぐっていければと思っております。

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<松尾豊プロフィール>
2002年東京大学大学院博士課程修了。産業技術総合研究所研究員、スタンフォード大学客員研究員を経て、2007年より東京大学大学院工学系研究科准教授、特任准教授。人口知能とウェブ、ビジネスモデルに関する研究を行う。

瀧口:今回は、日本を代表するAI研究の第一人者と気鋭の経済学者をお招きし、来たるべきAI新時代を勝ち抜くための戦略について、深く伺っていきます。というわけで、今回のテーマは『AIウォーズ ニッポン復活の未来戦略 ~グーグル、FBに勝つ秘策~』です。それでは、今回のゲストをご紹介します。まずは東京大学特任准教授の松尾豊さんです。松尾さん、よろしくお願いします。

松尾:よろしくお願いいたします。

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<安田洋祐プロフィール>
2002年東京大学経済学部を卒業し、2007年プリンストン大学Ph.D.。政策研究大学院大学助教授を経て2014年から大阪大学経済学部准教授。経済理論、ゲーム理論を研究。

瀧口:そしてもうお一方、大阪大学准教授の安田洋祐さんです。安田さん、よろしくお願いします。

安田:よろしくお願いします。

瀧口:安田さん、ご専門の経済理論、ゲーム理論と言いますと、一見AIとは関係ないように思えるんですが。

安田:戦略的な駆け引きを分析するのがゲーム理論ですけれど、実は人工知能とも相性が良くて、僕自身がやっているマッチングとかオークションの研究で、その人工知能系の学者さんとコラボレーションもしてると。実は人工知能の学術誌の「アーティフィシャル・インテリジェンス」、そのものずばりのジャーナルがあるんですが、そこにも一本論文があったりするので、実はちょっと関係があるという感じで。

奥平:今日はまた、異色の組み合わせという感じですね。