日経電子版、日経産業新聞と連動してイノベーティブな技術やベンチャーを深掘りする動画配信サービス「Paravi(パラビ)」オリジナル番組の「日経TechLiveX」。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。
シリコンバレーより上海――。メルカリの金融子会社、メルペイ代表取締役青柳直樹さんが今もっとも注目している都市は上海。急速にキャッシュレス化が進む中国の現状をルポしながら、そこまで来た"非現金社会"を考える。
瀧口:こんにちは。日経産業新聞、日経電子版と連動して、革新的なテクノロジーや今後成長が見込まれるスタートアップ企業に迫る「日経TechLiveX」。日経CNBCキャスターの瀧口友里奈です。こちらは、Paraviオリジナルコンテンツとしてお届けしています。そして、私と一緒に番組を進行していただくパートナー、日本経済新聞編集委員の奥平和行さんです。奥平さん、よろしくお願いします。
奥平:よろしくお願いします。
瀧口:さて奥平さん、今回は。
奥平:突然なんですけど瀧口さん、財布って持ってらっしゃいますか?
瀧口:はい、もちろん持っています。
奥平:これがなくても、暮らせる社会があると。想像できます?
瀧口:ないと不便じゃないですか?
奥平:そうなんですけど、財布なしでも暮らせる国が近くにあるらしいと。
瀧口:財布なしで暮らせる・・・。
奥平:さらに、そこの街へ全社員を出張させるという大盤振る舞いの会社があると伺いまして。そこで学んだものを日本へ持ってこようと。その会社のトップをお招きしてキャッシュレス社会の行方についてお伺いしたいと、そういう主旨です。
<青柳直樹プロフィール>
元グリー取締役。ドイツ証券を経て、グリーに入社。CFOとして資金調達、株式上場を主導するとともに、事業開発責任者としてゲームプラットフォーム立ち上げに従事。2011年よりサンフランシスコにて海外事業の拡大に尽力。事業統括本部長を経て、2016年9月にグリー取締役を退任。2017年11月、株式会社メルペイ代表取締役に就任。株式会社メルカリの執行役員も兼務。
瀧口:面白そうですね。ということで、今回のゲストをご紹介したいと思います。メルペイ代表取締役、青柳直樹さんです。青柳さん、よろしくお願いします。
青柳:よろしくお願いします。
奥平:青柳さん、早速なんですけど、メルペイは全社員を出張させると伺いました。どちらに行かれてるんですか?
青柳:上海です。
瀧口:上海なんですね。ということで、上海。今回は『中国で見たキャッシュレス革命とフィンテックの未来』というテーマでお届けしたいと思います。
奥平:上海出張というのはどういう制度なんですか、具体的に。
青柳:メルペイの社員や内定者の皆さんすべて、会社の負担で中国の上海に二泊三日を目途に、出張できる制度になっています。
奥平:会社が全額負担。
青柳:そうですね。中国現地を行き来している社員がいますので、その者とともに中国に行ってもらって、様々な中国のサービスを体験してもらう。そこでいろいろなインスピレーションを得て、日本でのサービス開発に生かしていこうという制度です。
奥平:ご自身もずいぶん行かれているという。
青柳:そうですね。私は昨年末からほぼ毎月中国に渡って、実際にいろいろなサービスを使っています。
瀧口:毎月実際に行かれる、ということが大事なんですか?
青柳:そうですね。実際に長くいるとそこに住んでいる方の感覚というもの、ごはんを食べて、いろいろなものを使って、電車にもタクシーにも乗って、ということができますし、毎月行くと定点観測というか、今回はここが変わっているな、ということで、上海、中国自体が変わって行くダイナミズムを感じることができます。
奥平:青柳さんと最初に会ったのは、サンフランシスコでしたね。
青柳:そうですね。
奥平:アメリカの方という印象だったんですけど、気が付いたら中国の方になられていて。
青柳:2011年からサンフランシスコに住んでいまして。当時は現地に住んで、それこそウーバーですとか、新しいサービスが勃興していくのを現地で触れて見ていました。そこから、どうも最近は中国の方が新しいサービスがどんどん出てくる勢いがあるんじゃないかということで、私自身もシリコンバレーよりも中国で。
奥平:中国派になったと。
青柳:そうですね。中国で過ごす時間を増やしています。