<楽天ケータイ成功のカギは?>
瀧口:これで楽天が参入すると、競争が更に加速するのではないかということで、続いてのキーワード行きたいと思います。「楽天ケータイ成功のカギは?」ということですけれども、楽天は6000億円かけて新たに参入していくというところで、基地局は電柱やビルの屋上などを利用して、8年後を目途に全国の96%の地域をカバーしていく計画ということですよね。
奥平:これ6000億円というのをニュースで見たときに「少ない」と思ったんですが、ある種大手3キャリアは、ピーク時はこれに類するものを1年間で1社でやってたわけですよね。今回彼らは、複数年かけて6000億円で整備するという話ですけど、そんなことが本当にできるのかなと思うんですけれど。
津坂:この番組の冒頭に、周波数の有効利用という話もされていて、周波数って非常に価値が高いんですよね。海外では取引までされるくらいの価値が高いものであって、それを日本の事業者は、ラッキーにも割り当てで使わせてもらえるという立場にある。となると、そこの周波数というものは新規事業者の占有能力なんですよね。そこにきちんとしたネットワークができていないと、有効利用しているとは言えないんですよね。
小林:おっしゃるように、そこは心配ないように、きっちりチェックをしていくのは重要だと思います。
奥平:第4のキャリアと言いますと、イー・アクセス、イー・モバイルが入った13年前ですか、2004年。あの時は結局国民としてはやや納得いかない話があって、結局周波数帯を割り当てられたにもかかわらず、それを持ったままソフトバンクに身売りしてしまうわけですよね。今回その轍を踏むリスクはないんですか?
小林:今回、まさにその反省を生かしてですね。
奥平:そこ、反省なんですか。
小林:工夫をしていまして。その会社を購入するとそのまま周波数帯もついてくるというふうに前回はなっていたわけですけれど、今回は、もし買収が起こった場合、その周波数帯は一度政府に返していただく、という仕組みになっています。ですので、そういう意味では同じような形にはならないということだと。
奥平:今日のお話ですね、料金だけが問題ではないというお話もありましたけれど、加えてサービス面で競ってもらわなくてはいけないので、それを本当にできるかどうか、厳しくチェックしていかなければいけないということですよね。
小林:そうですね。
瀧口:では、後編も引き続きお話を伺っていきたいと思います。次回はアメリカの通信事情に詳しい、コンサルタントの小池良次さんにも加わっていただき、お話を伺います。5G通信で世界はどう変わっていくのか、どうぞお楽しみに。
(C)Paravi