<日本の医療の強みとは>

瀧口:日本の医療の強みというのは、どういうところなんでしょうか?

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原:先ほどちょっと申し上げました、医療従事者が持っている暗黙知のような技術。例えば内視鏡の手術をしているようなドクターの本当に細やかな手技であったり、診療するときに患者さんの情報を引き出すようなコミュニケーションスキルだったりといった、あまりカタチになっていないものを、もうちょっときちんとカタチにして、アプリケーションやソフトのようなかたちで広めていくといったことができれば、日本の強みというものが活かされるんじゃないかなと、そんなことを思っています。

瀧口:医療の現場で脈々と受け継がれている、暗黙知。

原:はい。

杉田:杉田さんは、いかがでしょう?

杉田:医師個人の技術とか言葉遣い、おもてなしといった領域もあれば、病院としての仕組みもそうですね。実際、日本の病院で、カンボジアやブラジルに病院を建てたりというところも出てきていて。ドクターのみならず、看護師、メディカル含めた医療提供体制というのは、非常に優れているものがあると思います。

奥平:それは仕組み自体が、輸出産業化するポテンシャルがあると。

杉田:あると思いますね。

<協業の可能性と「メドテック」の目標>

瀧口:将来は、お二人で協業されるなんてこともあったりするんでしょうか?

原:そうですね。クリンタルのサービスに、オンライン診療のマークをちゃんと入れてと、以前から言ってるんですが、まだ実現が・・・。

杉田:来週には(笑)。

奥平:じゃあ、この番組が流れるころには(笑)。実際、そこで紹介を受けたお医者さんから、遠隔サービスを受けるという流れは当然あり得るわけですね。

原:あり得ていいんじゃないかなあと思います。

杉田:いいと思いますね。

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奥平:ビジネス交渉みたいになってきましたね(笑)。

杉田:実際に、こういう一起業家みたいなかたは何人かいて、基本的にはみなさん同じ思いでやってるんですね。いい医療をとか、医療制度の継続性をとか。僕はもう五年前くらいから言ってるんですけれども、グーグルのアルファベットのような組織で、思いをひとつに、いろんなサービスをやろうよと原さんを誘ってるんですけれども、「そうだね......」と(笑)。

奥平:原さんは資金調達されたばかりですしね(笑)。ただ、会社として一緒にならなくても、例えば制度なり、仕組みなり、利用者に対する訴えかけだとか世論形成とか、できることは相当ありますよね。

原:そうですね。

杉田:間違いないですね。

瀧口:お二人の間で、何か食い違ったりというか、そのビジョンはちょっと違うんじゃないかみたいな話はされたりするんですか?もう全部、100パーセント一致されている?

原:100パーセント一致ということはないかもしれない(笑)。さっきの医療費の話でいうと、増え続ける医療費をなんとかしなければいけないという思いはあるんですけれども、私としては、一番重要なのは、人がより健康で長く生きられて、納得感を持って生きて死んでいける、それが実現することが非常に重要だと思っていて。そのために医療が持続することが必要で、それで医療費を適正にしなければならない。どちらかというと、そういう順序の考え方をしていて。医療費を下げることを、絶対の目的ということで考えているわけではないです。

奥平:そこが食い違うポイントなんですか?

杉田:いや、まったく同じ。

全員:あははは(笑)。

杉田:いい医療を提供していれば、医療費が下がると。医療費は結果論であって。あくまで思いとしては、患者さんがいい医療をちゃんと受けられるという仕組みを作りたいというところですね。

奥平:なるほど。起業の条件と申しますと、解決すべき課題が明確であるということが教科書に書いてある「いの一番」で、それでいうと、お二人の持っていらっしゃるエリアっていうのは、確実に解決すべき問題が目の前にドンと控えているわけですから。どうテクノロジーで解決していくかというのを、今後注目していきたいですね。

瀧口:誰にとっても身近な話題ですからね。注目していきたいと思います。原さん、杉田さん、今日はどうもありがとうございました。

奥平・原・杉田:どうもありがとうございました。

瀧口:さて、次回は楽天の参入や、スプリントとTモバイルの合併で揺れる、「日米携帯市場再編の行方」というテーマでお届けします。